Fishing鴨庄の漁業

鴨庄の漁業

漁船漁業

サワラ流し刺し網漁

最盛期

4下旬から7月中旬にかけて、長さ600~2,000m、高さ8~24mの網で、海面から1~15m下に網の上辺がくるように沈めた網を潮流と直角になるように網を入れ、1~3時間潮流にまかせて流し、高速で遊泳するサワラを刺させてとります。
サワラは、昔から讃岐を代表する魚として親しまれ、カンカン寿司などの郷土料理が有名です。鴨庄漁協では経営体が操業しています。

小型底曳網漁業

小型の動力船で、海底に接して網をひき、魚介類を袋網に追い込んでとる漁業です。主に「えびこぎ」といって小型エビ類やカレイなどを獲るため、長さ15~20m程度の張竿(はりざお)とよばれるビームで網口を広げ、潮流と同じ方向に1時間から数時間ひいて網を揚げます。これを1日に数回繰り返します。
時期によって、張竿の代わりにソリ状の鉄板を取り付ける「戦車こぎ」や網をひく綱部に板を取り付け、網口を開いて獲る「板びき網」などがあります。鴨庄漁協では最もこの漁業を営む経営体が多く、年間を通じて操業されています。

建網漁業

潮流などに流されないように、網の下辺が海底に着地し、網の下辺のおもりを重くした長さ20~50m、高さ1m前後の網を磯ぎわ、藻場や砂泥地に設置し、メバル、カニ、クルマエビなどを網に絡めて獲ります。
一枚の網でなるもの、二枚または三枚を重ねたものがあり、目的とする魚によって、目合や仕立て方が異なっています。操業時間は、潮止まり前後や、夕刻、早朝の数時間程度のものあれば、半日程度置いておく場合もあります。鴨庄には大串半島や小串半島の磯や藻場など、豊かな自然環境に囲まれており、これらを良漁場とする建網漁業も盛んに行われています。

藻類養殖業

ノリ養殖業

養殖方針

鴨庄漁協では、鴨部川から流れる豊富な栄養塩と志度湾の穏やかな海域を利用したノリ養殖業が昔から盛んに行われています。令和6年5月現在、黒ノリ4経営体と青のり5経営体で養殖業を営んでいます。
生産者は、安心安全で高品質なノリを生産するため、潮通しの良いノリ網の張り込み方法、育苗中の環境管理(水温、気温、日射、風力、塩分、PH、栄養塩)、ノリ摘採枚数の目安設定や加工時の衛生・製品管理に至るまで、様々な点に気を配り、工夫しながら取り組んでいます。

栄養塩調査

ノリは海水中の窒素やリンといった栄養塩を吸収して、成長します。
漁協では、香川県漁連や養殖業者の協力しながら、養殖期間中定期的にノリ漁場の栄養塩調査を行っています。

養殖過程

秋に種網と呼ばれる網を県漁連や他県の産地より購入し、海面で10枚程度重ねて展開して約20日間育苗します。
育苗中は雑藻の付着を防ぐため毎朝ノリ網を海面から上げて干し、ノリ芽が1~2cmになると一旦海から上げて、海水温が下がるまで冷凍庫に入れ、約-25℃で保存します。
11月に入り、海水温が18℃程度に下がったら、今度は一枚ずつノリ網を張り込む「本張り」を行います。本張りしたノリは10~15日すると長さ20~25cmに生長するので、これを摘採し、板ノリまで加工します。収穫は、2~3月まで続きます

青ノリ養殖業

養殖過程

 平成25年に試験養殖に取り組み、県内で初めて「青のり養殖」に
成功しました。
 春から秋にかけて青のりの母藻から種苗を採取し、のり網に定着させた後、
冷蔵保管します。
 翌春(3月末ごろ)に海面へノリ網1枚ずつ張り込んでいき、その後ノリ網の汚れを海水で数日洗い流した後、15から20日目に収穫し、陸上にて乾燥作業を行います。6月末ごろまで続きます。

青のりの乾燥作業です。生の青のりをトレーの上にのせてほぐします。ほぐした後、乾燥機に入れ、4~5時間乾燥します。

カキ養殖業

概要

志度湾は香川県内でも有数のカキ養殖漁場で、漁港に立ち並ぶカキ小屋では荷揚げされたカキの洗浄や夫婦や親子でカキ剥き作業に勤しむ姿が冬の風物詩にもなっています。
令和6年5月現在、15経営体がカキ養殖業を営んでます。

安全性

出荷前にノロウイルス検査、一般細菌検査を実施しています。

商品

一粒カキの生産

 最近は、殻付きカキを購入し、食べるご家庭も増えてきました。新鮮なカキでしか味わえない濃厚な味と豪快な食べ方が人気があるようです。安心安全で、立派なカキを食べていただけるよう鴨庄漁協の生産者も、一粒カキの生産に取り組んでいます。

養殖過程 養殖が盛んな広島県、宮城県から種ガキ(カキ幼生)が付着したコレクター(ホタテ貝殻を使った付着器)を購入し、 春、購入した付着器を吊なわ(連なわ)と呼ぶロープに約40cm間隔で差し込み、海中に吊るします。春に1cm程度の小さなカキは、プランクトンなどを食べて成長し、10月頃から2、3月にかけて出荷します。

新規の取組

 令和5年度より、三倍体カキの生産に取り組み、冬期のみならず、夏にも食べられる 「かき」の生産を目指していきます。

魚類養殖業

養殖方針

消費者の皆様に、新鮮で美味しく安心安全な養殖魚を提供するために、香川県魚類養殖生産物品質向上検討会で定められた「養殖マニュアル」にそって、流通に適した魚作りに取り組んでいます。
漁場の底質改善のために年に1度は、各漁場において海底耕運を行うなどして、漁場環境の向上に努めております。

養殖マニュアルを見る(PDF)

安全性

水産用医薬品の取り扱いについて、育てる魚が健康であることを目指して生産者は様々な取り組みを行っていますが、 万一病気になった場合、適切な薬を与えて健康に戻してやることが必要です。

その場合、投薬して体内から医薬品が完全に消失するまでの時間を元に法律で定められた休薬期間を完了することはもちろん、 さらに3日~5日間の期間延長を定めた香川県独自のガイドラインに従い「安全で健康な魚作り」の飼育管理を徹底しています。

商品履歴書

鴨庄の養殖魚を安心してご購入いただくために、出荷された魚が、いつ、誰が、どのように養殖したものであるのかが 解るよう、養殖小割毎に、生産者、稚魚履歴、養殖履歴、薬品投与履歴、配合飼料履歴等を商品履歴書として開示しています。

養殖過程

冬は、水温が低くなりハマチ、カンパチ養殖には適さない為、香川県内では4月頃から12月頃までが養殖期間となります。 当組合では、愛媛、高知、宮崎、鹿児島から1.5キロ~2.3キロの種苗を購入し、9月~12月にかけて3.5~5.5kgで出荷しています。

その他養殖

サーモンとメバルといった魚類養殖が行われています。

サーモン(ニジマス)養殖業

養殖過程

 平成27年に香川県漁連、香川県水産課の指導の下、養殖に取り組みました。
現在2経営体で養殖がおこなわれており、12月に稚魚の搬入を行い、翌4月に
出荷を行います。今年度から、オリーブの粉末入の餌を使用し、「オリーブサーモン」として県内はもとより、県外へも出荷されています。